Ｈ４年式 カプチーノ 其の二

カプチーノ其の二

カプチのフレーム、弱々しいなぁ。こうなってしまうと手で少し押すだけでもグラグラ。
押しながら話すと「ブルルン」と揺れます。
調子ずいてブルブルしてると、「寸法出てんだからイジるなぁー」と怒られたりします。

寸法を測ると、右からの入力はメンバーを伝って、左にも影響を及ぼしてました。
こういったケースではストラットタワーバーが装着されてたりすると、力がしっかり伝わってしまうため事故の際には思わぬところまでダメージを及ぼすことがあります。剛性アップが仇になることもしばしば。

押したり引いたりでおおまかな寸法までは出てきたようですが、どうもしっくり来ない様子。
あと数ミリ！　１㎜？　いや１㎜あるかないか出れば、気持ちよくOK出せるんだけどとウチの社長。
さっきまで簡単そうに人力でフレーム修正してた人のセリフに聞こえないなぁ。しかし、ちゃんと寸法でてるし。

以前にも事故歴があるクルマなので、あちこちに修復歴が見られます。
こういったクルマでしっかり寸法を出して直してやると、以前よりもクルマがシャキっとするせいか、しっかり真っ直ぐ走る様になったりすることがあります。古いクルマになってくるとボディ自体も疲れてよじれるのかもしれません。少しづつ歪んでくるのでしょう。
事故歴にあるクルマの場合、しっかりと直しきれていないケースも見受けられます。
このカプチーノも今回の事故ですっかり事故車扱いになってしまう訳ですが、もしかしたら以前よりも調子よく走れる車になる可能性も。

事故車はなにかと敬遠されがちですが、ちゃんと直してあればそれほど悪いものではないかもしれません。
直した事実よりも、どう直したかが重要なんですね。